コロナ禍で外出を自粛した後、「久々に会った高齢の親や知人の様子が激変していて驚いた」という声が多く聞かれますが、まさにこうした因果関係によるものと考えられます。

「コロナに感染はしなかったが、認知症になった」

高齢者を親に持つ方から、こうした話をしばしば耳にします。

コロナ禍を境に、ハツラツ脳の持ち主がヨボヨボ脳の人に変身してしまったというわけです。

政府、各自治体、厚労省、専門家会議のコロナ対策の責任者は、この事実をどう受け止めているのでしょうか。

「杞憂好き」な人ほど危ない

「終息するまでは、安心して旅行もできない」

コロナが猛威を振るっていたころ、世代を問わず、そう考えていた人は少なくなかったはずです。

前項で述べたように、こうした「巣ごもり志向」による運動不足は、ヨボヨボ脳のリスク要因であることは間違いありません。

だからといって、「通りの向こうで風邪がはやっているから、布団を敷いて寝て待っている」といった暮らし方は、まさに「杞憂好き」であって、コロナ感染以上に心と体に悪影響を及ぼします。

暗い背景に絶望シニアの男
写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
「杞憂好き」な人ほど危ない(※写真はイメージです)

ヨボヨボ脳予備軍の考え方、ライフスタイルといっていいでしょう。

「杞憂好き」の人たちが陥りやすいのが、「ゼロか百か思考」です。

こうした発想は、ポジティブ型のハツラツ脳の持ち主にはありません。