「スーパーPAC」で献金戦争は青天井に

フィクサーたちの本当の狙いは何なのか。

(PANA=写真)

カネが絡んでいるだけに、単なる有志としてオバマ氏やロムニー氏を推しているだけではない。バンドラーになって億単位の資金を集める行為は一般的ではない。何かがそこにある。

しかも10年、選挙資金を無制限で集金できる政治活動団体(PAC)が誕生した。これは選対とは別団体である。以前からPACという政治団体はあったが、最高裁が有権者の献金の自由を保証する判決を出して「スーパーPAC」という呼び名がついた。すでに300近い団体ができた。

オバマ・ロムニー両氏の選対とは直接的な利害関係がない形で設立され、無制限で億単位の資金を調達する。彼らはテレビ広告で相手候補を非難するネガティブ・キャンペーンを流す。これにより、大統領選は新たな次元へと入った。これまで選対への献金は億万長者であっても一人年間5000ドルまでという制限があったが、「スーパーPAC」に対しては一人で1億円を献金しても構わない。

オバマ氏は2011年、「スーパーPAC」に対する嫌悪感を表したが、綺麗事だけでは済まされず「Priorities USA Action」というオバマ支持の「スーパーPAC」を容認した。そこには億円単位の資金が集まっている。一方のロムニー氏は積極的に「スーパーPAC」を支持し、すでに彼を支援する「Restore Our Future(輝ける将来)」という団体には30億円以上の資金が投入されている。