その中のフィクサーの代表格が、ヘッジファンドの父と言われるジュリアン・ロバートソン氏で、個人ですでに125万ドル(約1億円)も献金している。同氏の個人資産は約2000億円と言われているので、小遣いのような額かもしれないが影響力は大きい。
ワシントンにあるシンクタンク、ブルッキングズ研究所のトレボー・ポッター上級研究員はフィクサーたちの目的は究極的には一つしかないと述べる。
「これまで政治団体への献金には制限がありました。しかしそれが今はなくなり、個人や企業が無制限に政治力を行使できるようになったのです。企業はスーパーPACにカネを流し、法人税の減税を勝ち取り、特典を取得し、関税を調整できるような大統領を選出する努力をするわけです」
献金者はもちろん見返りを期待する。それがなければ献金の意味はない。企業であれば利益を上げるため、個人であれば当選後に政権内で職を得るといった恩恵がある。
08年、オバマ選対には500人以上のバンドラーがいた。当選後、彼らの約3分の1がオバマ政権内で政治被任命職を得ている。4年前、変革を口にし、理念を語り続けたオバマ氏だが、現実的な見返りをしていたのだ。