2021年から始まった月額5万5000円の貸別荘サブスク「SANU 2nd Home」が人気だ。入会希望者が殺到しており、現在約5700人が登録待ちになっている。いまは7拠点50棟だが、2024年までに20拠点200棟に増やす予定という。事業の手応えについて、福島弦CEOに聞いた――。
福島弦CEO
撮影=プレジデントオンライン編集部
福島弦CEO

「繁忙期」「閑散期」をつくらない貸別荘サブスク

――「SANU 2nd Home」はどんなサービスなのでしょうか。

月額5万5000円でSANUの拠点の中から好きな滞在先を選んで泊まれる、いわば貸別荘のサブスクリプションサービスです。コンセプトは「自然の中にあるもう一つの家」で、現在、八ヶ岳や軽井沢など都心から1〜3時間ほどの自然豊かな場所に7拠点を展開しています。

サブスク型にしたのは、1年を通して安定的な利用者数を獲得するためです。利用する都度支払う形にすると、どうしても繁忙期と閑散期ができてしまって、結果的に繁忙期の価格を上げざるを得なくなる。サブスク型ならそうした問題も解決するのではと考えました。

5万5000円という価格にしたのは、僕と共同代表の本間貴裕が「よし入ろう」と思えるギリギリのラインだったからです。2人とも30代半ばで家庭があり、僕のところは子どものいない共働き夫婦、本間のところは子どもがいるいわゆるファミリー層で、いずれもメインターゲット層と同じです。そんな僕たちが「この内容でこの価格なら家族会議でOKが出るだろう」と思えるラインを狙いました。

サービス開始前から反響があった

サービス発表後は予想以上の反響がありました。あらかじめ見込み利用者数を見える化してから資金調達に臨もうと思い、2021年4月にWebとSNSでコンセプトを発表し、「興味のある方は登録してみてください」と告知したところ、3日で約3000人の登録があったんです。

おかげで資金調達やキャビン(別荘)建築もスムーズに進み、3拠点19棟まで完成が見えた段階で、再度SNSで「オープンします」と発表しました。このときも24時間で約1600人と会員枠の上限を超える反響があり、最終的には抽選で会員を決定させていただきました。その後、2021年11月に宿泊サービスの提供を開始しました。