部下が「働きがい」を感じる断トツ1位は「承認」

5%社員は、20代の時に「共創」の準備もしていました。成果を残して成長していくために、上司を巻き込んで認められる仕組みを作っていたのです。

「あなたが働きがいを感じるのはどういう時ですか?」と17万人にアンケートを取ったところ、断トツ1位が「承認」でした。お客さまや社内の人に感謝されること、自分の行動が評価されること、人事評価が高いことなどです。

しかし、この「承認」は空から降ってきません。「承認」には「達成」が必要で、「達成」するには「目標」が必要です。

そこで5%社員は、上司との対話で行動目標を一緒に作ることを心がけていました。

5%社員は、上司を巻き込んで行動目標を作る

たとえば、製造業の営業部門に所属する5%社員は、このように上司と目標を握っていたそうです。

越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)
越川慎司『29歳の教科書』(プレジデント社)

「今年度の目標は前年比+15%の売り上げですから、顧客への提案件数を+30%にしようと思います。つまり、毎月13件の提案をする目標です。提案内容については課長と相談しながら進めていきたいです」

年間目標を達成するための行動案を提示して、理解を得ます。行動を進めるうえで、その結果と進捗を自分から見せていくことで上司を巻き込む、というのです。

この5%社員は、提案件数も年間売り上げもクリアしました。1on1ミーティングで上司と対話しながら行動実験を進めていったので、目標を達成した時、上司はまるで自分のことのように喜んでくれたそうです。

年間目標を達成するための行動目標を考えて提示し、上司から承諾を得ることで「共同目標」に変わりました。「共同目標」の達成に向けて上司から協力を得て、達成したら深く共感し合う。これが5%社員の“巻き込み承認術”です。

上司の言うとおりにやってもうまくいかない

今回のヒアリングに対応してくれたのは現在、人事評価トップ5%であるセールスです。まだ部下はいないものの、後輩との対話にも「共感・共創」を心がけ、5%社員を育て上げたそうです。

私が社会人となった20年前は「成果の出し方」を上司が知っていました。上司の言うとおりにやればうまくいったのです。しかし、現在は違います。これだけ変化が激しく不確実な状況では、「自分で考えてやる」という自立型人材が評価されます。

1on1ミーティングを「共感・共創」の場として活用し、達成・承認を得て働きがいを獲得しましょう。

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