理由2:部下が上司からの依頼だと受け取ってしまう
2つ目の理由は、部下が「依頼」として受け取ってしまうこと。
部下たちは「よろしくお願いします」と言われると、「何を『お願いします』なのか?」と戸惑ってしまうそうです。
ある通信業の20代社員は、「報告することやプレゼンすることを求められているように感じる」と言っていました。また、サービス業の20代社員は「先週、週報出したのに、また新たな報告を求められているように感じる」と発言していました。
このように「報告・プレゼン」を依頼されているかのように勘違いしてしまうので、上司が「よろしくお願いします」でスタートするのはダメなのです。
トップ5%リーダーは「労い・感謝」から始める
ちなみにトップ5%リーダーは、部下に対する「労い・感謝」から1on1ミーティングを始めていました。
「先週金曜のイベント対応、ありがとう」「今日は時間取ってくれてありがとう」といった声かけから始まるのです。
このように部下を認める(承認する)ことで、「(上司は)こういうふうに私を見てくれているんだ」「私に興味関心を持ってくれているんだな」「本当にありがたいな」といった共感からスタートすることができます。
このように部下に対する「労い・感謝」から始めると、一方的に上司がしゃべる空気になることはなく、部下がどんどん話してくれるようになります。すると、上司と部下の対話が成立して、関係構築と成長支援をする下地が整うのです。
1on1ミーティングは「準備が8割」
1on1ミーティングにおける対話は、準備で8割決まります。
あなたが上司の立場であるならば、まずは相手のことを「2分」だけ考えてみてください。これまでどんなことに努力してくれたのか、チームに貢献してくれていたのか……そうすれば「労い・感謝」の言葉が出てきやすくなります。
たったそれだけで、思わず「お願いします」と口に出してしまうことを避けられるようになるでしょう。