上司が最初に発しがちな「よろしくお願いします」はNG
各社の人事評価トップ5%の管理職は、1on1ミーティングの対話をティーチング(「答え」を教える)ではなく、コーチング(答えの出し方を考えさせる)の場として活用していました。そして、部下の士気を高め、1on1ミーティング後に新たな行動を誘発させていました。
活性化する1on1ミーティングとうまくいっていないそれとを比較するために、380時間に及ぶ対話を録画させてもらい、AI分析しました。
すると、上司の「よろしくお願いします」で始まる1on1ミーティングにおいて、部下の口数が減る傾向が確認されました。
原因を探るべく、2万3000人の一般社員へ匿名調査をしたところ、とくに20代は冒頭で「よろしくお願いします」と言われると士気が下がることがわかりました。
理由1:対話ではなく面接になってしまう
上司からの「よろしくお願いします」がダメな理由は2つあります。
1つは、部下がかしこまってしまい、対話ではなく「面接」になってしまうから。かしこまってしまうというポイントです。
製造業と小売業の20代社員らは「面接のように感じる。だから、へたなことを話さないように黙って聞いていることが多い」と発言していました。
面談・面接になると、「ちょっとまずいことを言うと、マイナス評価になるな」ということで、しゃべらない戦略を取ってしまうのです。「今日は上司の話を聞くだけにしよう」という姿勢で受け身になってしまうので対話が成立しません。
そもそも1on1ミーティングというのは、部下が主役の対話です。だから、当事者意識を持たせて6割、7割しゃべらせないといけないのです。にもかかわらず、面談形式になると話さなくなってしまう。
だからこそ、上司の「よろしくお願いします」で始める1on1ミーティングはNGなのです。