1 縦の質問

これは要するに、相手の話題を深掘りする(縦に掘る)というものです。たとえば相手が、「休みの日は釣りをすることが多いです」と話したとします。これを縦に掘り進めていくなら、次のような質問があります。

・どういうところに釣りに行くんですか?
・どのくらいの頻度で行くんですか?
・どんな魚を釣るんですか?

夕暮れ時の湖で釣り。釣りの背景。
写真=iStock.com/smiltena
※写真はイメージです

要するに、相手が話してくれたことをもっとくわしく、具体的に聞いていくということです。ここでも大事なのは、「相手の話題に興味を持つ」ということです。

相手が出してくれた話題に、私は興味を持っていますよ、ということを、縦に質問することで相手に伝えるのです。ここで注意したいのは「笑顔やリアクションをしっかり行う」ということです。いくら縦の質問を重ねても、それが真顔で、淡々とした口調で行われていては、とても興味を持っているようには感じられません。

むしろ、警察の事情聴取のように、「別に聞きたくはないけれど、義務だから聞いている」ようにも見えてしまいます。

2 横の質問

これは話題の軸をずらすことで広げるときに使う質問です。たとえば先ほどの「休みの日は釣りをすることが多いです」という話でいえば、

・釣りをしないときはなにをしているんですか?(「休みの日」という軸を残す)
・釣り以外の趣味ってなにかありますか?(「趣味」という軸を残す)

こういった質問が考えられます。

ただ、この「横の質問」に関しては、使い所に注意が必要です。ここではわかりやすくするために具体的な「横の質問」の例を2つ挙げましたが、たとえばあなたが「休みの日は釣りをすることが多いです」と言ったすぐあとに、相手が「へえ、そうなんですね。釣り以外の趣味はなにかありますか?」などと聞いたら、多くの人はいい気持ちはしないでしょう。

なぜいい気持ちがしないのか。それは、せっかく自分が「釣り」という話題を提供したのに、すぐにその話題を変更されたからです。

いきなり「横の質問」をすると、「あなたの釣りの話は、興味ないです」というメッセージを相手に伝えることになるのです。「横の質問」は、必ずその前に「縦の質問」を何度かして、相手の話を深掘りしてからにしたほうがいいでしょう。