スランプケース2 「ゲーム」がやめられない

回答:中学受験国語専門塾PREX代表の渋田隆之さん

ゲームが大好きなBくん。6年生になっても勉強へのスイッチが入らず、塾には来るものの、ゲームの時間は減りません。2学期が始まったころ、お母さんから塾に電話がかかってきました。

「入試まであと4カ月なのに、家ではゲームばかりしている。模試の結果も散々だったのに、どうしたらいいでしょうか」
「ゲームがやめられない」
「四六時中、スマホで動画ばかり見ている」

といった悩みは、今や、多くのご家庭が日常的に抱えている課題です。

ゲームをしている日本の小学生
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです

Bくんのお母さんの相談を受け、私がとった対応策は、「ゲームを次の模試までやらない」というものでした。

ちょうど2週間後に次の模試があったので、そのときまで封印しようと提案しました。

最初は「ゲームに毎日ログインしてポイントをもらわないといけないから困る!」と渋っていたBくんでしたが、前回の模試の結果が悪かったことからとりあえずゲームを完全にやめてみて、成績にどう影響するか試してみようと約束をしました。

その際、私がゲーム機本体を預かり、物理的にできないようにしました。親が職場に持っていく、祖父母に預かってもらうなど、ゲーム機そのものを家からなくすという方法がよいと思います。

実際にゲームができない状況になってみると、自分がどれだけゲームで時間を消費していたのかを自覚することができたようです。

2週間ゲームを預かった結果、Bくんは次の模試で偏差値が7ポイントも上がりました。ゲームをする時間が減った分、勉強する時間が増えたんですね。本人も成績が上がったことが嬉しかったようで、その後、「合格するまで、ゲーム機を預かってほしい」と言われました。

Bくんのように、必ず成績が上がるとは限りません。その場合でも、小テストの点数が上がったことを示したり、ゲームをやらないことで取り組んだプリントの量を見せたりして、その成果を実感させることが大切です。

受験生は多少なりともストレスを抱えています。ゲームもそのストレス解消のためのひとつの方法ですが、長時間やってしまうと、「勉強しなきゃいけないのに……」と内心では思っている状態でゲームをすることになり、心から楽しむことができません。

子供のゲームを預かったり、ゲーム時間を減らしたりする場合、まずは「ゲームをすると心がすっきりするよね」という話から入ります。子供の気持ちを理解していることを示したほうが成功する確率は高まると思います。

また子供が納得したうえで預かることが大切です。1週間といった短い期間で区切る、あるいは1日の遊ぶ時間を減らしてみようという形で話すといいでしょう。(渋田さん)

→先生に2週間預かってもらおう