ひと月分のジョブをこなせるなら、お迎えも、付き添いもご自由に
社員の働く環境への満足度をほかのどのような指標よりも重視し、大胆なフレックス制度も導入。コアタイムはあるものの、極論をいえば、1日6時間の時短勤務なら6時間×20日分=120時間分のジョブを月内に完了すればよし、ということだ。子育ての経験もある執行役員の菅佐都美さんは言い切る。
「保育園の送迎で中断して、子どもが寝たあと仕事を再開する日があってもいいし、早朝5時始業なども自由です。時短でも復職して成果が出せたことで『上を狙える』とモチベーションがアップした人や、今は時短でもいずれフルタイム勤務にシフトしたい、マネージャーをめざしたいという人、すでに管理職に昇進した人も出てきています」(菅さん)
例えば転職当初は2人の子どもを育てながら時短で働き、現在はフルタイムで管理職を務めるコンサルタントの田中弥生さんは、フレックス制度がなければとっくにキャリアを諦めていたと語った。
「求職中はキャリアブランクが長いうえに時短を条件としていたので、転職先はないだろうとあきらめていました。当初は1日5時間勤務。子どもが急に体調をくずした時に早めに終業して後日振り替えたり、業務時間をずらして授業参観に出席したり、時間をやりくりすることで、子育てと仕事が上手に両立でき、担当できる業務が増えました。もちろん昇進は無理だし一作業者として仕事ができればいいと思っていましたが、時短でも生産性を基準に公平な評価をいただけたことで、キャリアアップに夢が持てたのだと思います」(田中さん)
フルタイムの人と同じ土俵で評価される公平性
田中さんがいう「公平な評価」とは、オデッセイとライフ&ワークスに共通する評価基準として「業務の生産性」を取り入れた独自の評価制度のことだ。「業務の生産性」は客観的数値によって表され、上司の主観が入らない。しかも勤務時間の長短は評価に影響しないので、時短勤務でも昇進・昇給に希望がもてるのだ。秋葉社長はそうした公平でオープンな評価こそ社員のモチベーションアップにつながると語る。
「社員は母体のオデッセイと同じ定量的な評価軸でランク付けされていて、ランクによって達成すべき生産性のレベルが決まっています。昇進や昇給はランクと生産性に紐づいており、自分のランクに相当する生産性を超えていればランクアップの対象に。なかには入社3年半でチームリーダーに昇進し、報酬が1.5倍になった社員もいます。時間が短くとも、密度の濃い仕事をすればフルタイムと同様の評価となり、やりがいにつながっていくと考えています」(秋葉社長)