中国共産党の締め付けで俺最強系広告は減少するとみられる
日本人からすれば「バカっぽい」と思われる内容ではあるが、日本にもその広告に興味を持ってプレーする人が一定数おり、中国ゲーム広告は一定の成功を収めているといえよう。
だが、筆者はこうした「俺最強系広告」はいずれ減少していくと見ている。
と言うのも、2018年以降、中国でリリースされるゲームを事前に審査する部門が中国政府機関から中国共産党宣伝部に移行したことで、ゲーム審査が厳格化し、許可が下りるゲームの本数が著しく減ったのだ。審査にかかる時間も延び、ゲーム会社はゲームのリリース日を設定できないという新たなリスクを負うことになった。
この結果、中国ゲーム企業は宣伝よりも内容に力を入れて長期的に遊ばせるゲームを開発するか、あるいは世界有数の人口を擁する中国マーケットを捨てて、海外展開することにシフトし始めている。そうなってくると、中国でのマーケティングやゾーニングが通用しなくなるので、より現地に適した広告を打つようになるのではないかと思う。
今後中国製アプリゲームの不思議な広告がなくなっていく可能性を考えると、ホッとすると同時に、その特有のバカっぽさをある意味評価していた筆者としては、何とも寂しい気持ちになるのである。