「焼身自殺で亡くなった男性と私は同じだと感じた」
柴田さん(仮名・40代女性)の母親が旧統一教会に入信したのは1980年代のこと。父親は入信に反対しており、そのはざまで宗教2世として大きな苦労をしてきました。
「先日、高知県在住の男性が、野党合同ヒアリングに出席しました。その場で、信者として約1億円もの献金をした元妻(離婚)とともに暮らしていた息子さん(36歳)が焼身自殺し、『旧統一教会をなくしてほしい』と涙ながらに訴えました。それを聞きながら、亡くなった息子さんの立場が自分と同じように感じられて、とてもつらい気持ちになりました」(柴田さん)
柴田さんの家では、母親の旧統一教会への入信を知った父親が激高したといいます。
「もともと私の家は父がワンマンで、母はとても苦労していました。その悩みをうまくつかれて、教団に誘われ入信したのではないかと思います。父から反対されて以来、母は教団の信者であることを隠して、教会に通っていました。その陰で、私は幼い頃から、教会の関連施設に連れて行かれました。父の性格をわかっていたので、母のことは言ってはいけないと子供心に思っていました。
家には白い壺がありました。後でわかったことですが、母は父には内緒で、印鑑、高麗人参茶、宝飾品など、ありとあらゆるものを、教団の関連会社から買って隠していました。その中にはサウナもあります」
家庭用サウナには、かつて旧統一教会信者だった筆者自身も記憶があります。1980年後半、有名ゴルファーも使っているサウナだと宣伝して、それを販売するようにと教団から指示がありました。とても高額だったはずです。
「40万円以上だと思います」(柴田さん)
筆者から見て、母親は、当時教団が販売した商品をほぼコンプリートしており、かなりのお金を使ったと思われます。それだけマインドコントロールされていたことが分かります。
「母親から教団の関連施設であるビデオセンターにも行くようにいわれました。そこで私は勉強することになりました。そしてセミナーにも参加しました」
しかし柴田さんはセミナーに参加したものの深入りせず、次のトレーニングには進みませんでした。なぜ、次のステップに進むことを拒むことができたのだろうか。その理由について、柴田さんはこう話す。