1つの情報に絞り、具体的に伝える
こうした場合、家族の方が歩み寄り、できるだけお互いにストレスにならない方法を工夫するしかありません。以前書いた、発達障害の部下を持つ上司に向けた記事も参考になると思います(締め切りの日に1割もできていない、仕事を丸ごと忘れる…部下の発達障害を疑ったらどうすべきか )。併せて、発達障害のパートナーを持つ人は、3つのポイントに気を付けるとよいでしょう。
1点目は、「何か伝えるときには、1つの情報に絞って具体的に言うこと」。「1つに絞る」ことと「具体的に」というのが重要です。発達障害の人は、「Aをやって、それからBをやって、それからCもやって」など、複数のことを一度に伝えても、すべてを覚えていられないことが多いことに加え、一度に複数のことを考えたり処理したりするのが苦手です。伝えるときは1つのことに絞って伝えた方が、理解しやすく、覚えやすいのです。
また、相手が考えていることを推察したり、行間を読んだりするのも苦手なので、「全部言わなくてもわかるでしょう」「そこまで説明しなくてもできるでしょう」ではすれ違いになります。できるだけ省略せず、具体的に伝えましょう。
耳からの情報よりも目からの情報の方が頭に入りやすいという人もいます。その場合は、口頭で伝えるだけでなく、メモにして渡したり、メールなどに書いて送っておくなどの工夫をするとよいでしょう。
相手の関心に歩み寄る
2点目は、共通の趣味を持つことです。発達障害の特性を持つ人の中には、関心があることには没頭しますが、それ以外にはまったく興味を持たないという人も多いので、こちらから相手の関心に歩み寄ってみるのです。相手には「先生」になってもらい、2人で共通の趣味を楽しめる時間を持てるようになるといいと思います。