人は意識しないと権力を振りかざしてしまう

それではそれを防止するためには、どうすればいいでしょうか。

それは、自分の言動が常に「権力」を生み出していることを自覚しつつ、「あなたと私は対等ですよ」という行動を、意図をもって積極的に相手に示し続けることです。

また、知らず知らずのうちに「評価軸」を使ってしまいがちなことを自覚して、意図して部下を評価する言葉を用いないことです。権力を行使しないこと、生み出さないことには「意図」が必要です。それは「意思の力」なのです。そうしなければ、あっという間に権力やポジションに絡めとられて、有意義な対話ができなくなります。

自分のオンライン会議の録画をチェックしてみよう

もし、どうしても、自分の権力に気づけない、という方がいらしたら、1つ非常によい方法があります。それは、リモートワークでのオンライン会議の様子を、録音・録画しておいて、その録画を後から見てみることです。ないしは、信頼のおける人に見てもらい、コメントをもらうことです。

録音・録画されたものを見れば、自分がどのように発言しているのか、誰をどのようなときに意図せず評価してしまっているのかが、たちどころにわかるでしょう。そうすると「自分を見つめる鏡=フィードバック」を得ることができ、自分の影響力や、発言のバイアスに気づくことができます。

イラスト=『話し合いの作法』より
イラスト=『話し合いの作法』より