都市部から地方に移住するとき、どんな物件を選んだらいいか。作家のたくきよしみつさんは「安いからと『土地だけの物件』にうっかり手を出すと後悔する。実際に私も、福島の高原の土地を購入して、失敗してしまった」という――。(第2回)

※本稿は、たくきよしみつ『マイルド・サバイバー』(MdN新書)の一部を再編集したものです。

軽井沢
写真=iStock.com/7maru
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どんなに魅力的でも、土地だけの物件は選ぶな

私が田舎物件を探し始めたのは30代からですが、この30年で大きな災害に2度遭遇し、その度に新たな物件探しをして移住したので、実際に現地に足を運んで見て回った田舎物件は北は宮城県、南は長野県、山梨県まで、軽く100物件はあるでしょう。データを見て検討した数を入れれば1000件近いと思います。

また、実際に都会から田舎に移住して暮らしている人たちとも数多く交流してきましたので、都会人が田舎暮らしに抱く幻想や、その幻想・錯覚から生まれる失敗もいろいろ知っています。

ここでは、そんな私が実際に経験してきた「田舎暮らしの失敗例」や「田舎不動産物件探しの注意点」をまとめてみます。

最初に強調したいのは、土地だけの物件はどんなに魅力的でも諦めなさい、ということです。

最近、コロナ禍で観光地などに遊びに行くことが難しくなり、都会の人たちが自分専用の遊び場として「山」を買って「マイキャンプ場」を持つことが流行っている、などとテレビで報道されているのを何度か見ました。

「山を買った人たち」が楽しそうにキャンプしたり、バンガローもどきのようなものを作って「ここに住めるようにします」なんて言っている絵作りをして、「こんな生き方も夢があっていいですね」などと能天気なナレーションをかぶせるわけですが、少しでも田舎暮らしを経験した人が見れば「だみだこりゃ~」です。