お金持ちになるにはどうすればいいのか。『投資をしながら自由に生きる』(ダイヤモンド社)を書いた投資家の遠藤洋さんは「積立投資を続けるだけでは経済的な自由は得られない。FIREを達成するには、もっとリスクを取る必要がある」という――。(構成=フリーライター・有井太郎)
積立投資で「FIRE」は実現できるのか
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は海外で生まれた考え方で、日本でも目指す人が増えていますね。経済的自立や早期リタイアを意味する言葉で、その特徴は定年を待たずに早期リタイアし、その後は資産運用を活用して運用益で暮らしていくというものです。
象徴的なのは「4%ルール」。年間生活費の25倍の資産を貯めて、その資産を毎年運用し、4%の運用益を出していく。そして、年間生活費を4%の運用益に納める。すると、資産を切り崩さず運用益だけで生活していけるという理論です。
4%の数字にも根拠があり、アメリカの一般的な株価成長率(7%)から物価上昇率(3%)を差し引いたもの。つまり、米国企業約4000社に分散投資できるVTIのような金融商品(ETF:上場投資信託)をはじめ、アメリカ経済の指数に連動するインデックス投資をしていけば、年間4%の利益を平均的に得られるのでは、という計算に基づいているのです。
たとえば年間の生活費が200万円の人なら25倍の5000万円を貯めて、4%の運用益を出し続ければ資産を減らさず生活できる。年間生活費400万円の人なら資産1億円です。
確かに理論としてはわかりますが、果たして本当に可能なのでしょうか。私は机上の空論だと思っています。FIREに憧れる若い世代が増えているようですが、現実的に考えれば、インデックスへの積立投資だけでFIREは達成できません。