ポイントは売上規模、市場規模、店舗数…
というのも、先行事例として青汁のネット販売で売上が数百億に伸びたメディアハーツという会社がありました。北の達人は、きわめて近いビジネスモデルで展開しており、売上規模もまだ10億に満たないほどの時期。メディアハーツの例から、2~3年で売上10倍になると考えて投資したのです。
買いのタイミングも重要で、その企業のサービスや商品が“認知され始め”の瞬間を狙うことです。認知度が全くない状態は早過ぎますし、一方で十分に認知が行き渡った飽和状態になると遅い。逆に投資していたなら“売りどき”となります。
ではどうタイミングを見極めるのか。北の達人の場合は、メディアハーツの売上規模を参考に、成長率と市場の伸びしろから認知され始めであることを予測できました。
そのほか、実店舗を持つ企業なら、店舗数を目安にするのも一つの手です。たとえば、かつて成長中のライザップグループに投資していましたが、ここは競合他社のジム店舗数を基準に、市場全体の伸びしろやパイを測ることができました。他社の店舗数が400店舗などで止まっていれば、その付近が飽和点の目安です。
そのほか、ペッパーフードサービスも投資して10倍以上の株価になった銘柄です。ご存じの通り、急成長の後、店舗数拡大によって業績悪化していきました。これについても、他の外食産業の店舗数、ステーキ店はもちろん、飽和点を見る意味では国内でも多店舗展開で成功しているジャンル、たとえば松屋や吉野家の国内店舗数で測ることができます。
リスクを取らずにFIRE達成は不可能だ
繰り返しますが、投資は目的によって手段が変わります。目的は「求めるリターン」と言い換えることもできるでしょう。加えて、投資では「許容できるリスク」も重要。これも手段を決める上でポイントになります。
私は自由になるのが目的、そのために資産の桁を増やすのが「求めるリターン」でしたから、インデックス投資は選択肢にありませんでした。FIREを目指す人も同じではないでしょうか。
『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』(筑摩書房)にこんなデータが紹介されています。アメリカの上場株のうち、時価総額0.25億ドル以下の会社に毎年投資すると40年で約800倍になっています。
一方、時価総額10億ドル以上の企業だと同じ投資で1.6倍にしかなりません。S&P500でも1.7倍です。小型株の方が圧倒的に資産が跳ねやすいのです。