人格的成長とは、「自分の可能性を信じられる思考」のこと。
国内外で実施された調査で「人格的成長の度合いは年齢とともに低下しやすい」という一貫した結果が得られている。一方で、いくつになっても人格的成長を維持できると、いつまでも若く、元気で、進化し続けることができる。
人格的成長は、人生後半生を幸せに生き抜くための大切な思考のひとつだ。
「成長する思考態度」と「固定された思考態度」
スタンフォード大学の教授で、心理学者のCarol Dweck博士は、「成長できる人とできない人の違い」の謎を解くために、20年近く研究を続けてきた。その結果、成長する人には「学びたい」という「成長する思考態度」があり、逆に、成長できない人は「固定された思考態度」を持っていると結論づけた。
「成長する思考態度」の人は、「私の人生は、学んだり、変化したり、成長したりする、連続した過程である」と、“今”を成長への通過点ととらえていた。自分に対する批判、他人の成功、といった、普通だったら向き合いたくないことに出合っても、ありのままを真摯に受け止め、吸収し、進化する。
喪失感に苛まれることがあっても、それらのストレスをむしろ自らの成長の糧にする人たちだった。
「自分をよく見せたい」人が“終わった人”になる
一方、「固定された思考態度」の根底には、「自分をよく見せたい」という欲求があるため、自分に都合の悪い批判は退け、自分をよく見せたいがために、他人を蹴落とすような言動をとる。
常に「自分は失敗しているか、成功しているか?」「賢く見えるか、バカに見えるか?」「受け入れられているか、排除されているか?」「勝者か、負け犬か?」と、他者との比較世界で物事をとらえ、自分の優位性にこだわり続け、過去に手にしたリソースに固執する。