「ベテランの底力がある」とは言ってみたものの…
「うちの会社でも役職定年になった途端、やる気を失うシニア問題は頭痛の種です。でもね、目の前でまるで給料泥棒みたいに言ってるの聞いてたら、無性に腹が立っちゃいましてね。
そもそも“役定”は、後進に道を譲るためのものでしょ。年齢で区切るのは、若手にチャンスを与えてるわけです。年上部下をどう使うかも、若手管理職の腕の見せどころです。
なのに、おっさんたちのせいばかりにするので、つい、『若手にはない底力があるんだぞ』って言ってしまったんです」50代、本当は何ができるんだろう
「そうしたら、『いい時代に入社しただけでしょ。英語もまともにできない人ばっかで、50代は退職金もがっつりもらえるし、甘やかされすぎ。だいたい会社の中だけで生きてるから、視野が狭い』って反論してきた。
いやあ、参りました。
会社では私も、安心だけを求めるやつはいらない。自分で決める、動く、まわりを動かせって、50代社員に喝を入れてるんですが、面と向かって言われると案外しんどいもんですな。自分のこと言われてるみたいでね。
実際のところ、50代社員の強みってあるじゃないですか。底力が。でも、息子を納得させられなかった。そんな自分も情けなくてね。本当、どうなんですか?」想像以上の若手社員の50代アレルギー
……さて、いかがだろうか。
会社で50代に喝を入れている“社長さん”が、息子との応酬に悪戦苦闘したとは笑うに笑えないお話である。が、“上”=社長が考える以上に、現場の若手社員の“50代アレルギー”はとんでもなく強い。
なにせ、“働かないおじさん”ほど、
・「これからは楽させてもらうよ~」と平気で言い放つ
などの“老害”を撒き散らし、“過去の栄光をちらつかせるおじさん”ほど、
・へたに動けば動くだけ問題を起こすだけ
と、周囲の足手まといになる。