幕末、長州藩はイギリス・フランス・オランダ・アメリカの列強4国と戦った後、幕府軍と対決する。この二つの戦いは、世界史においてどういう意味を持つのか。当時の世界情勢の推移を、『バトルマンガで歴史が超わかる本』(飛鳥新社)より紹介する――。(第3回)

産業革命を起こしたイギリスが中国に対して行ったこと

登場人物紹介
【小太郎】ごくフツーの中学生
【つきじい】偉大な歴史家トゥキディデスの生まれ変わり

【つきじい】フランス革命の時代、イギリスではもう一つの革命――産業革命が始まっていた。小太郎くん、「産業」って何だ?

【小太郎】工場とかで、モノをつくることですよね。

19世紀の女性労働者
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【つきじい】その通り。昔は、着る物は手作業でつくっていた。糸だって、綿のかたまりから1本ずつ引っぱり出して、ねじってつくっていたのじゃ。

【小太郎】気が遠くなりそうです。

【つきじい】ところが18世紀のイギリス人が、糸や布をつくるためのさまざまな機械を発明していった。その結果、一人で同時に何千本もの糸をつくれるようになった。

【小太郎】イギリス人、スゴい!

【つきじい】ところが困ったことが起こった。糸や布など綿製品をつくりすぎて、売れなくなった。小太郎くんは、ズボンを何本持ってるかな?

【小太郎】3本くらいかな?

【つきじい】50本買ってくれと言われたら?

【小太郎】そんなにいりません!

【つきじい】ところが機械でどんどん綿製品をつくっているから、売れ残ってしまう。そこでイギリス人は、外国に売り込もうと考えた。イギリスより何十倍も大きく、人口の多い国にイギリス製品を売り込めば……。

【小太郎】ボロもうけできますね!