子供が過剰にはまらないよう保護者が見守るべき

厚労省のゲーム依存症対策関係者会議の資料によると、週に30時間以上ネットやゲームを使用するネット・ゲーム依存症の人は国内に少なくとも100万人以上いるとされる。特に、大人数が同時に参加できるオンラインゲーム「MMORPG」とシューティングゲームの依存リスクが高く、症例としては昼夜逆転や不登校になるほか、使用制限をすると盗みや暴力に発展するケースが報告されている。

2019年5月には、WHO(世界保健機関)が、ゲームをする頻度や時間をコントロールできない「ゲーム障害」を精神疾患の一つとして位置づけた。

白人の小さなゲーマーがヘッドセットを身に着けている少年は、ビデオゲームをプレイ。ビデオゲーム中毒
写真=iStock.com/cagkansayin
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オンラインゲームはゲーム性だけでなく、他人とのリアルタイムコミュニケーションが依存症を促進させているといわれている。同様に、メタバース上でのリアルタイムコミュニケーションにはまる子どもは少なくないと考えられる。

また、仮想空間であるメタバースでのコミュニケーションが増えることで、オフライン、つまり現実世界のコミュニケーションが減る可能性が高い。友達関係を通してコミュニケーションを学ぶべき年齢の子どもが十分に経験を積めないのは明らかに問題だ。子どもだけではコントロールが難しいので、過剰にはまらないよう保護者が見守るべきだろう。

リスクもあるが、可能性も大きい。メタバースが今後どうなるのかは未知数だが、我々の生活を一変させる可能性を秘めているのだ。

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