迷惑電話がかかってきたらどうすればいいのか。成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは「基本は、知らない電話からの着信には出ない、折り返さないこと。迷惑電話をブロックするアプリやスマホ機能も活用してほしい」という――。

詐欺犯はスマホから近づいてくる

「知らない番号からの電話に出たら自動音声だった」
「スマホにかかってくる電話といえば迷惑電話ばかり」

SNSにはこんな声があふれている。

トレンドマイクロによると、利用者の電話帳に登録されていない電話番号からスマホへの着信のうち、なんと約4件に1件が詐欺・迷惑電話だったという(2025年8月)。多いと感じるのももっともというわけだ。

迷惑電話の狙いの多くは、金銭的な詐欺。警察庁によると、住所や氏名、資産、利用金融機関を探るといった、特殊詐欺が疑われる電話(予兆電話)が急激に増えている。

それと比例するように、2025年の特殊詐欺認知件数は9月末時点で2万57件に上り、前年同期比で40.3%増。被害額も965.3億円、133.5%増と拡大している。

「+1」「+44」からの着信は要警戒

迷惑電話の特徴は、国際電話や非通知設定を使うことだ。IP電話サービスの「050」、フリーダイヤル「0800」が悪用されることもある。

その手口は、従来のオレオレ詐欺や還付金詐欺、架空料金請求詐欺だけでなく、自動音声で「クレジットカードが利用できなくなる」などと脅し、電話口で個人情報等を聞き出したり、金銭の振り込みを要求したりする等、多様化している。

とくに、着信番号の頭に「+」が表示されていたら、注意が必要だ。この後に続く1〜3 桁の数字は国番号であり、海外からの国際電話となる。海外にいる友人や知人など心当たりがない場合、詐欺の可能性が高い。

たとえば「+1」はアメリカ合衆国やカナダ、「+44」はイギリス、「+86」は中国を表すという具合だ。日本の国番号である「+81」からの電話も詐欺に使われるケースがある。