国内外の大企業がメタバースに参入する狙い
メタバースに大企業が続々と参入しているのは、コミュニケーション上の巨大プラットフォームとなった時に、標準規格となるものを作れたら巨大な利益が得られる可能性があるためだ。少なくとも、先行者利益につながる可能性がある。
たとえば、Metaやソニー、Appleなど多くの企業がVRやMRのヘッドセットを発売するとみられている。Metaは相互運用性が不可欠という立場であり、他社もアクセスできるメタバースを作り、ヘッドセットも様々な機器やサービスとの互換性を持つと考えられている。
多くのユーザーを獲得できて、世界標準規格となれば、どの企業もビジネスチャンスを握れる可能性はある。メタバースに必須とされるアバターの作成は、特に日本企業が得意とするところであり、期待できるだろう。
休日に15時間もゲームし続ける小5の娘
一方、メタバースにも懸念されることはある。それは、依存状態になってしまうリスクだ。現在も、低年齢の子どもたちがフォートナイトやMinecraftといったオンラインゲームにはまる事例は多い。
ある母親は、フォートナイトにはまりすぎた小学5年生の娘に心底悩んでいる。「夜もこっそり起きてプレイしており、寝不足で学校で居眠りしていると先生から言われた。いつの間にか課金もしており、お年玉を使い込んでいた」
彼女は、当初の約束の時間である2時間を過ぎてもプレイし続け、休日など長い時は15時間もプレイしていることもあった。母親がゲームをやめさせようとすると、「ゲームができなくて私が仲間はずれにされてもいいの」と泣き出してしまう。友だちに対する言葉遣いも悪くなり、ゲーム中に「殺す」「いっぺん死ねば」などと叫んでいたこともあったという。
Minecraftにはまりすぎて外出もせず、起きている時間はずっとプレイしている未就学児(6歳)についての相談を受けたこともある。YouTubeでプレイ動画を見てはまり、攻略法を見てはプレイし続け、画面を見る時間が長くなりすぎたせいか視力が下がってしまったそうだ。
こうした事例からも分かるように、ネットユーザーの低年齢化は進んでいる。内閣府の調査では、0~6歳の70.4%、6~9歳の89.1%がインターネットを利用しているという。10~18歳では実に97.7%だ。0歳~中学生の利用目的では「ゲームをする」が上位に位置している。