社員の2割占めるバブル世代の社員を60歳までに削りたい
実は企業がもっと危惧しているのは60歳以降の再雇用社員よりも、あと数年で60歳を迎えるバブル期入社世代への対応だ。
今は60歳以降の社員はそれほど多くはないが、バブル期入社世代の50代は全社員の2割を占めるともいわれる。もちろんその中には会社にとって有用な人材もいるが、一方で仕事に対する意欲・気力が低い“働かないおじさん”もいる。
企業によっては毎年数百人単位で60歳を迎えるところもあり、以前のように福祉的に雇用する余裕はない。本来なら将来の人手不足に備えて戦力化しないといけないのだが、戦力にならなければ人件費の持ち出しになる。「本当は削りたい」と本音を漏らす人事担当者も少なくない。
そのためコロナ禍で中高年社員をターゲットにした早期退職者募集も増えているが、対象者を50代に限らず、60代の再雇用社員も対象にしている企業も目立つ。
しかも早期退職者募集の実施をするのは4割以上が黒字企業であり、今のうちに不要な社員を少しでも削っておきたいという意図がアリアリだ。