締め切りは最短で設定すべき理由

2~3日で終わる仕事を、「これ、月末までにやっておいて」と長い期限に設定するとどうなるでしょうか。

ほとんどの場合、期限が近づいてきてから仕事に着手して、期限である月末に仕事が完了します。ですから、仕事の期限は「最短」で設定するべきです。3日で終わる仕事なら、期限は3日後に設定するのです。

しかし、期限を最短で設定したとしても、その期限が守られなければ意味はありません。メンバーに期限を守らせるテクニックが3つあります。

期限を守らせる3つのテクニック

1つ目は、期限の数日前に状況報告をするようにあらかじめ決めておくことです。これをしておくと、メンバーはゼロ報告はできないので、ある程度進めた状態で報告をするようになります。

逆に、本当に進んでいない場合はその時点で対策を検討できるので期限に向けたキャッチアップが可能です。

木部智之『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)
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2つ目は、タスクが遅れる場合はそれが「わかった時点で報告する」ルールを作ることです。遅れる場合のほとんどは、期限の日に「間に合いませんでした」という報告がきます。それを事前に報告させるようにします。

すると、事前に報告はしにくいので、なんとしても期限に間に合わせようとする心理が働きます。

3つ目は、仕事が期限に遅れた時には、なぜ遅れたのか、と毎回問いただすことです。

期限に遅れた時、リーダーがそれを放置していると、メンバーも「遅れても怒られないんだ」と気が緩みます。期限を守らなければいけない、という雰囲気を醸成しましょう。

仕事の期限を守る動機を考える

ビジネスパーソンが仕事の期限を守る動機は2つだけです。

1つは、プロとして期限には必ず仕上げる、というモチベーション。

もう1つは、期限を過ぎると怒られるから、遅れないようにやろうという気持ちです。

そして、9割の人の動機は後者です。私もそうですが、みなさんも心当たりがあることでしょう。それを考えると、期限を超えた時には指摘をしないといけない、ということがわかると思います。

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