難易度の高い仕事でも計画通りに終えられるリーダーは、どのように時間を管理しているのか。『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)を書いた木部智之さんは「プロジェクトを俯瞰して、効果的な計画を立てることが重要だ。そのためには作業工程表と年間カレンダーを並べて使うといい」という――。
「PDCA」を実践している組織は少ない
プロジェクトで必要となるのが、計画通りに進まなかったことを振り返り、次に生かすことです。
つまり、PDCAです。PDCAをこまめにできるかどうかで、プロジェクトが少しでも良くなるか否かが決まります。
特に炎上プロジェクトでは、計画通りに進まないことが乱発するので、PDCAが重要になります。
私は、さまざまなプロジェクト、職場で仕事をしてきたなかで、「PDCAが重要だ」「高速でPDCAを回そう」という掛け声をたくさん聞きました。しかし、本当にPDCAを実践している組織を見たことはほとんどありません。
なぜ「掛け声」止まりになっているのか
PDCAが「掛け声」止まりになり、実践できないのはなぜでしょうか。それは、PDCA がサークルになっているからだと私は思っています。
仕事の現場では「PDCAを回せ!」とよくいわれます。このサークルのイメージだと、PDCAをぐるぐる回し、それを繰り返すというイメージはたしかに持ちやすいですが、このイメージでは「何に対してチェックするのか?」が明確になりません。
なんとなく「Do」が終わったところでチェックをする、という漠然としたチェックになりがちなのです。