スケジュールを可視化する意味

両方向から妄想をすることで、これまで気づけていなかった作業に気づくこともあります。

細かいところでいうと、3カ月後に思わぬ連休があることに気づくこともあります。

仮想カレンダー上の赤いマーカーで日付をマークする
写真=iStock.com/Prostock-Studio
※写真はイメージです

また、2カ月後に迫ったサービスインに向けて、より具体的な作業のヌケモレをチェックしたり、ということもできます。

私は、多い時はこの作業を月曜日と金曜日の週2回やっていたこともあります。

大炎上していたプロジェクトでは、1週間で様子がかなり変わることが多かったので、月曜日に現状と未来を確認し、金曜日に改めて現状と未来を確認する、ということをしていました。

木部智之『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)
木部智之『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)

遠い未来についてはあまり景色は変わりませんが、近未来については1週間で景色が変わることはよくありました。

このテクニックはプロジェクトの炎上解決のみならず、プロジェクトを「炎上させない」ためのテクニックとしても有効です。

カレンダーとマスタースケジュールという「物理的な道具」を「実際に見る」ことで、未来を想像しやすくすることができるのです。

マトリクス式のPDCAを行い、カレンダーを見ながらの「未来⇔現在妄想」を実践すれば、難易度の高いプロジェクトであってもこれまで以上に効率的に進めることができると思います。

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