チームを効率的にマネジメントするコツはなにか。『プロジェクトのトラブル解決大全』(KADOKAWA)を書いた木部智之さんは「炎上中のプロジェクトでは、リーダー自らが集中的に細かく対応する『マイクロマネジメント』が必要になることもある。そのときには必ず守るべき2つのルールがある」という――。
上司にうるさく言われる部下たち
写真=iStock.com/Deagreez
※写真はイメージです

「超ヤバいプロジェクト」でリーダーがやるべきこと

1つのプロジェクトのなかでも、チームや役割別で見てみると、状態は様々です。とくに炎上プロジェクトになると、「比較的大丈夫なところ」と「超ヤバいところ」があります。

その「超ヤバいところ」に対しては、リーダー自らが集中的に細かく対応するようにします。これがマイクロマネジメントです。

リーダーが関与する頻度を高くし、深度を深くします。朝会の運営に加えて夕会を実施するなどして頻度を上げます。そして、進捗の数字の報告だけ聞いていたものを、タスクレベルの状況をひとつひとつ聞くなどして深度を上げます。

このようなマネジメントをIBMでは、ディープダイブ(深く潜る)といっていたりもしていました。

マイクロマネジメントを始める目安

マイクロマネジメントに切り替えるタイミングを機械的に判断することはできませんが、例として開発プロジェクトでの目安を示します。

開発プロジェクトでは、週次進捗というのが1つの指標です。その進捗が15%以上遅れ始めて、3週間くらい連続で遅延が戻らない場合はマイクロマネジメントを始めることを検討します。実施の判断は、遅延している理由やリーダーの力量を見て行います。

なお、10%程度の遅延なら炎上プロジェクトではよくあることですし、瞬間的に15%以上遅延したとしても、2~3週間かけて戻ってくればマイクロマネジメントの必要はありません。