失敗続きの試作品…チョコレート専門店が無償で助けてくれたワケ
おいしくて栄養豊富で口の中で溶けるもの。「そうか、チョコだ」と思いつくまでに時間はかからなかったというが……。
「最初は自宅で、すり鉢やミキサーで食材を砕いて調合して試作。でも、ひどくマズい。そこで札幌市内にあるチョコレート専門店にダメ元で協力をお願いしたところ、僕の発想に共感してくれて、無償で手助けしてもらいながら試行錯誤して完成にこぎつけました」
自身も心臓に持病がある中村さんは、医師を目指すとともに、そうした病と闘う患者に寄り添った活動をするのが自分の使命だと感じている。このアンジュを持続的に提供し、多くの人を幸せにしたいと、3年生の時には株式会社を立ち上げた。後述するようにショコラティエなど社員を雇い、製造工場も持って運営中だ。
「以前、大学生を対象とした起業プログラムで学んだ経験がありましたが、実際に商品開発や起業するのは初めて。もちろん大変でした。時間がいくらあっても足りない。でも何とか時間を捻出して事業を進めました」