今のラーメン業界は四極化している

中華においてもそうです。中華料理の専門店では、かなり昔から1000円を超えるラーメンが存在しています。けれど誰も異を唱えません。こちらも様々な定番中華メニューが揃い、仲間や家族で酒を飲んだりして過ごします。つまり、シェアが前提なので単価に固執しないのです。

青木健『教養としてのラーメン ジャンル、お店の系譜、進化、ビジネス 50の麺論』(光文社)
青木健『教養としてのラーメン ジャンル、お店の系譜、進化、ビジネス 50の麺論』(光文社)

また、焼肉や寿司は、肉、魚などの素材が露骨に見えているため、素人目にも高いのだろうなと感じられます。それに比べて、数多あまたのラーメン店がより多く原価をかけているスープは、その価値・価格が目に見えにくい。これも不利な点です。こうした理由により「ラーメンは庶民の食べ物なんだから……」という思い込みに長い歳月、支配されているのです。

しかしラーメンは、とくに96年組(*)以降、その発展に目を見張るものがあり、味だけでなく内装やサービスまで格段に向上しています。昔からラーメンは二極化すると予測されていましたが、今は「ラーメン専門店」「町中華」「チェーンの激安店」と三極化、もしくは、「先鋭的な高級店」とで四極化しつつあります。高いラーメンと安いラーメン、それぞれをTPOに合わせて楽しみたいものですね。

(*編集部註)1996年にオープンし、その後のラーメン界に革命的な影響を与えた「中華そば青葉」「麺屋武蔵」「らーめん くじら軒」などのラーメン店を指す。

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