2024年の大統領選に大きな存在感
ジョー・バイデン氏がアメリカの大統領に就任してから1年が経過した。しかし今も、ドナルド・トランプ前大統領の存在感がすごいのだ。
アメリカの政治メディアのポリティコは、「145 Things Donald Trump Did in His First Year as the Most Consequential Former President Ever 」(これまでで最も重要な前大統領として、ドナルド・トランプが最初の1年間でやった145のこと)というタイトルの特集を組んだ。大統領の座を降りて1年がたってもこのような特集が組まれる前大統領は今までにいなかっただろう。彼はこうした意味で、ある種の天才だと言う人もいる。
そして、昨年12月に行われたロイター/イプソスの世論調査でも、彼は2024年の大統領選で、他の共和党候補を圧倒的にリードしている。
「2024年の大統領選挙で誰を支持するか」という質問に対し、共和党員の54%がトランプ氏、11%がフロリダ州のロン・デサンティス氏、8%がマイク・ペンス元副大統領を選んでおり、トランプ氏が2位のデサンティス知事に43ポイントの差をつけていることがこの調査で明らかになった。
あっという間に支持率が逆転
とはいえ、トランプ氏が注目されるのは、バイデン政権の不人気のせいもある。昨年ギャロップ社が1万2000人のアメリカ人を対象に行った調査によると、2021年の第1四半期の政党支持率では、民主党が49%で共和党の40%を9ポイントも上回っていた。しかし、同じ年の第4四半期には、民主党と共和党の支持率が逆転。共和党支持が47%となり、民主党支持率42%を5ポイントも上回ったのだ。
たった1年の間に支持率がこれほど大きく逆転した例は、ギャロップ社の過去30年の調査の中では初めてだという。そしてこれは、トランプ氏とバイデン大統領の支持率と密接な関係があると分析されている。
2020年に大統領選挙で敗れた時のトランプ氏の支持率は、彼の任期中最低の34%。一方、バイデン大統領は大統領就任後、57%の高い支持率をしばらく維持していた。ところが、夏以降、支持率は下降し40%台になってしまった。