次の大統領選「トランプに勝てる候補はいない」
さて、そういうわけで、2024年の大統領選挙には、トランプ前大統領が共和党の候補として出馬する可能性が高い。また、そうでなくてもトランプ氏寄りの人が出てくる可能性は否定できない。
最近、可能性のある候補としてメディアで名前が上がり始めたのは、前述のロイター/イプソスの調査でも上がっていたフロリダ州のデサンティス知事だ。彼はもともと、トランプ氏の支持を得てフロリダ州の知事になっている。ただ、大統領選挙に名乗りを上げるかは定かではないし、彼自身は現在、トランプ氏とは微妙な距離を保っているようだ。
渡部氏は、トランプ氏が出馬するならば、彼に勝てる人はいないという。しかし、仮に出ない場合、昨年11月のバージニア州知事選挙の例が参考になると言う。
バージニア州では、トランプ氏が支持を表明した共和党の実業家グレン・ヤンキン氏が勝利した。つまり、トランプの支持を得ることは、共和党の中で勝ち残るためには有効な手段なのだ。
「トランプ支持者が納得するような候補者を立て、予備選の段階ではトランプの支持を全面に出しておくのです。そして選挙本戦ではトランプを隠して、トランプ色を薄める。そうすれば、トランプが嫌いな人や無党派層の票も取り込めるので、選挙で勝てる」と、そんな戦略もありだという。
史上最高齢のアメリカ大統領
では、民主党はどうだろうか。
バイデン大統領が出馬するという見方が今のところ強いが、年齢の面から言っても懐疑的にならざるをえない。
2019年、ジミー・カーター元大統領は、2020年の選挙における大統領候補の年齢について懸念を表明したことがある。「私は、年齢制限があることを望む……。もし、私が80歳だったとしたら、私が大統領だった時に経験した職務を引き受けられるとは思えない」
そして昨年12月、テスラの創業者イーロン・マスク氏も、「70歳未満しか政治家になれないという年齢制限を設けよう」とツイートしている。現在、米国上院議員の平均年齢は64歳、米国下院議員の平均年齢は58歳だ。
トランプ前大統領は70歳で大統領に就任し最年長だったが、その後、78歳で就任したバイデン大統領がその記録を塗り替えている。バイデン大統領は現在79歳で、現役大統領として最高齢記録を更新した。2024年に仮に選挙に勝利したとすると、2期目の就任時には、82歳になる。