独立国だとしたら「世界9位」の経済規模
人口増加やテスラなどの進出もあり、テキサス州の2020年の名目GDPは1兆7756億ドルで、カリフォルニア州に次いで、堂々の全米第2位である。先述のヒューストン日本商工会らの「テキサス経済概況」によれば、仮に、テキサス州を独立国と見立てた場合、経済規模は米国、中国、日本、ドイツ、英国、インド、フランス、イタリアに次ぐ世界9位となり、カナダ、韓国、ロシアを上回ることになる。また、人口、雇用数、農林水産業生産額はそれぞれ全米第2位、輸出額は全米第1位など、主要指標の多くが全米トップレベルである。
テスラの本社移転もあり注目を浴びるテキサス。カウボーイの巨大な田舎州という先入観をもつと、その実態を見誤ることになろう。①交通の要所、②所得税ゼロ、③割安な生活環境、などがそろっていることで、人口が増加し、企業進出が相次ぐことで、好循環が生まれているテキサスは、ますます勢いある州となっていくはずだ。現在進行形の米国市場をより理解したければ、シリコンバレーやニューヨークだけでなく、テキサスのことも知っておいて損はなさそうだ。