離れた視聴者を呼び戻すシンプルなこと

となると、朝ドラがより多くの人に選ばれる作品になるにはリズムの復活、つまり4月と10月スタートに戻すしかないと思う。ということで、計算してみる。

エール」は全120話=24週放送、「おちょやん」115話=23週、「おかえりモネ」120話=24週だった。この順番なら「カムカムエヴリバディ」は、115話=23週となる。正月前後が休止となることを考慮すると、最終話は4月15日(金)、となる。うーん、惜しいといえば惜しいけど、ずれているには違いない。

となると、「カムカムエヴリバディ」をとにかく4月1日(金)で終わらせ、次の「ちむどんどん」を4月5日(月)スタートとすれば、ここから年度のリズムに戻れる。そうすれば、いきなりは無理でも徐々に視聴率は回復するはずだ。以上、素人の朝ドラ愛からの見立てだ。

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写真=iStock.com/alexsl
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思い切って短縮しても「カムカム」は面白いはず

録画やオンデマンドがあるから、視聴率は「視聴」の指標になっていない。そういう指摘はあるかもしれない。そもそもNHKは民放と違い、視聴率など気にしていないのでは。そういう人もいるだろう。が、朝ドラはNHKにとっては「朝の顔」であるだけでなく、60年の歴史を誇る堂々のブランドだ。最高視聴率62.9%を叩き出した「おしん」は、テレビドラマの金字塔でもあろう。

だからこそNHKは、2000年以降の視聴率低下傾向を受け放送時間帯を変更するなど、ブランド維持に注力してきた。だからコロナ禍がつれてきた視聴率低迷を前に、手をこまねいてばかりではないはずだ。

NHKがこのまま120話→115話を続けるのか、短くしてでも「年度」のリズムに戻すのか。部外者ながら私が思うのは、ズレを放置してじわじわと視聴率が下がるのだとしたら、それはもったいないなということだ。

「カムカムエヴリバディ」はすごく良い。脚本家の藤本有紀さんの力量がひしひし伝わってくる。だから、思い切って短縮に踏み切る手はあると思う。「カムカムエヴリバディ」を大勢の人に見てもらうためだ。藤本さんなら、面白さそのままに見事に短くしてくれるのではないだろうか。

「全体の放送回数については、現段階において未定です」とホームページにあることは、先述した。これからの安子の人生と、NHKの判断に大注目したい。

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