大統領選は前検事総長と前京畿道知事の一騎打ち

韓国で来年3月に実施される大統領選挙に向け、保守系最大野党「国民の力」が同党の予備選の結果、前検事総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏(60)を公認候補に選出した。同党は11月5日に予備選結果を発表した。

大統領選は尹氏と、革新系与党「共に民主党」公認候補の前京畿道知事、李在明(イ・ジェミョン)氏(56)の2人による事実上の一騎打ちとなる。

2021年11月10日、韓国・ソウルで記者会見する韓国与党「共に民主党」の大統領候補、李在明・前京畿道知事
写真=時事通信フォト
2021年11月10日、韓国・ソウルで記者会見する韓国与党「共に民主党」の大統領候補、李在明・前京畿道知事

尹氏は検事出身で、2019年に文在寅(ムン・ジェイン)大統領から検事総長に任命されたが、その直後に文在寅氏の側近の不正疑惑の捜査に乗り出し、文在寅政権と対立し、今年3月に検事総長を辞任した。韓国の保守層から信頼を得ている。

選出後にソウル市内で演説した尹氏は「必ず、共に民主党を倒し、政権交代を成し遂げてみせる。新しい韓国を作る」と語った。

尹氏は冷え切った日本との関係を改善する意欲も示している。沙鴎一歩はこの尹氏が大統領に選ばれることを期待する。尹氏が勝たなければ、日韓関係は改善しない。

李在明氏は「日本を追い越す」と反日感情をあらわに

韓国社会世論研究所が11月8日に公表した世論調査の結果によると、尹錫悦氏の支持率が4割台に急上昇し、李在明氏を10ポイント以上引き離した。2人は競り合い拮抗していたが、党の予備選で公認候補に選ばれたことで一時的に尹氏の人気が高まったとの見方もあり、このまま尹氏が来年3月の大統領選まで高い支持率を維持していけるかどうかは不透明だ。

尹氏と李氏にはそれぞれ不正疑惑が発覚している。尹氏は検事総長時代に裁判官の個人情報を不正に収集した疑いで捜査機関が捜査に着手していたことが最近、報道された。一方、李氏は知事になる前の京畿道城南市長時代に都市開発事業をめぐる不正行為があったことが指摘されている。大統領選は泥仕合の様相を呈している。

李氏が共に民主党の公認候補に選出されたのが、10月10日だった。このとき、李氏は「国を守る頼りがいのある大統領になる。腐敗した既得権と戦う。日本を追い越し、そして世界をリードする国をつくる」と演説し、反日感情をあらわにした。

李氏は貧困家庭に生まれ、苦学して弁護士となった。その逆境の半生を韓国の国民に訴え、全国民に現金を支給する「ベーシックインカム(最低生活保障)」を目玉の公約に掲げている。