ついに三菱重工業の資産の売却命令が出た

9月27日、韓国の大田(テジョン)地裁が三菱重工業の資産売却を命じる決定を下した。戦時中、日本企業に動員された韓国人の元徴用工(労働者)が損害賠償を求める「徴用工訴訟」で、資産の売却命令が出されたのは初めてだ。徴用工問題が重大な局面に入った。

ソウルにある韓国最高裁
写真=iStock.com/Rex_Wholster
※写真はイメージです

名古屋の工場などに動員された元女子挺身隊の韓国人女性らが原告だ。2018年11月に大法院(韓国最高裁)で賠償を命じる判決が確定し、徴用工訴訟のきっかけのひとつとなった。同年10月には、新日鉄住金(現・日本製鉄)に賠償を命じる判決も大法院で確定している。

今回、大田地裁は原告から売却命令の申請のあった三菱重工業の商標権と特許権の売却を命じた。実際の売却までの時間はかかるが、この売却が実施されれば原告側は4億ウォン(約3700万円)以上の現金を手にする。

文在寅氏は何ひとつ具体的な解決策をとっていない

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、自らの政権を維持するために韓国国民の反日感情を高め、日韓関係を戦後最悪な状態に変えた。大法院の暴走を許し、徴用工訴訟の問題も引き起こした。それにもかかわらず、文在寅氏はこれまで何ひとつ徴用工問題の具体的解決策をとっていない。一国のトップとして実に情けない。

日本と韓国との間の損害賠償請求の問題は、1965年の日韓請求権・経済協力協定で「完全かつ最終的に解決した」とされている。同協定は二国間の公の約束である。その約束を反故にする韓国側は間違っている。日本は徴用工訴訟での請求に応じる必要はない。韓国の司法が一方的に主張しているに過ぎないのである。

どうしても徴用工訴訟の損害賠償請求に応じる必要があると韓国側が判断するなら、韓国政府が賠償すればいいのだ。それが一番の解決策である。韓国のトップの地位にある文在寅氏が政治決断すれば、たやすいことだろう。