ハードルを乗りこえていく習慣を身につける

実際には、着手をすると物足りなさを感じて、少しだけ行動を始めるものです。物足りないという渇望感を利用します。単語帳を開いたら3つくらいは覚えようかなと自然と体が動くものです。つまり、行動までのエンジンをどう簡単にかけるかが問われているだけなのです。

そこで、着手までのハードルを軽々と乗りこえる習慣を身につけるために、ノートを使ったトレーニングを行います。頭の中で自動的にベイビーステップに変換するクセが身につくまでだけでも結構です。

TODOリストにある項目すべてをベイビーステップに変換するのではなく、まずは1つだけ重要なものに絞って試してみましょう。おすすめは「先延ばししていること」もしくは「難題だけど重要なこと」です。

ノートはタイトルを書いた後、縦線1本補助線を引いて左右に2分割にします。左半分には、先ほどお話しした優先順位や劣後順位も意識してTODOリストを書き出します。次に、TODOリストより「先延ばししていること」もしくは「難題だけど重要なこと」1つだけを選択して丸をつけてください。

【図表2】TODOリストをベイビーステップに変換する方法

頭でぐるぐる考えるより、ノートに書き出したほうがいい

丸をつけた項目を今度は右半分の①に当てはめて、はじめの第一歩目を考えてみます。

例えば、「英会話学校へ入学手続きをする」とします。でも、入学手続きでさえ、英語が苦手な自分は億劫だと感じ気が乗らないときもあるでしょう。そこで、さらにハードルを下げていきます。「英会話学校に入るためには、数校比較したいので資料請求をする」とします。

鈴木進介『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』(明日香出版社)
鈴木進介『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』(明日香出版社)

さらにハードルを下げて、「資料請求するためには、スマホで検索画面を開く」とすればいかがでしょうか? これであれば、英会話学校の入学手続きという気が乗らないことに向けても、24時間以内にストレスなく着手できそうです。

このようにベイビーステップに変換することが慣れていないときや、難題にチャレンジするとき、あるいはどうしても気が乗らないときは、3段階くらいハードルを落とすことを考えてみてください。

「モチベーションを上げなければならない」と肩に力を入れてストレスを感じるくらいなら、淡々とノートでベイビーステップへの変換を書き出していくほうが、よほどスムーズにはじめの第一歩が踏み出せます。

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