やるべきことが山積みになってしまうのは、どこに問題があるのか。「思考の整理家」を名乗るコンサルタントの鈴木進介さんは「そんなときはまずノートを使って本当にやるべきことかどうかを仕分けしてみるべきだ」という――。

※本稿は、鈴木進介『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

TODOリスト
写真=iStock.com/Rupendra Singh Rawat
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行動計画も段取りもうまくできない人はどうするか

日々、やるべきことが多すぎて、結局すべてが中途半端になってしまった。TODOリストはいつも未消化のまま毎日が過ぎてしまう。私のクライアント先からもよく出てくる言葉です。Goalは明確なのに、うまく行動計画が立てられず段取りもできないという悩みは尽きないようです。

優先順位のつけ方やスケジュール管理法の書籍やセミナーが、今ちまたではあふれています。しかし、これらのノウハウを見たところで簡単には段取り上手になれないところが悩みの種です。

段取り上手になるために、大切なことは「やるべきことの仕分け作業」です。

書き出してみたTODOリストは、本当に今すべてやる必要があるのでしょうか?

本当にその仕事は優先順位が高いのでしょうか? いったんノートに書き出し、冷静に段取りを見返して欲しいのです。

まずはTODOリストの「仕分け」が重要

なぜかというと、人間のモチベーションはTODOリストを書き出し、やるべきことが見える化されたときに、モチベーションが一番高い状態になっているからです。

「さぁ、今からがんばるぞ!」という心のささやきが生まれているのではないでしょうか。モチベーションが上がることはいいことですが、心が熱くなって冷静にやるべきことの見極めができなくなることには注意が必要です。

実は書籍『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』を執筆している最中に、私は引っ越し作業をしていました。ある引っ越し会社の動きを見ていたのですが、さすがに段取り上手です。運ぶ荷物をリストアップして、力任せに一気に運ぶということはもちろんしません。まず行ったことは、運ぶ荷物をすべてリストアップした上で、次に机上で「仕分け作業」をしていきます。

例えば「引っ越し前に運ぶものと引っ越し当日に運ぶもの」、引っ越し当日も「先に新居に入れるものとあとで入れるもの」「小さい箱と大きな箱」というように、仕分けをしておきます。これにより、当日かかった時間は2時間を切る手際の良さ。

仕事も同じことで、事前に十分な「仕分け」が求められます。本当に「今」「自分が」「100%」を目指すことは何か? ノートに書き出し、ふるいにかけていきましょう。「あれもこれも」とやみくもに手をつけていても、中途半端になってしまいます。

力の分散と意識の分散を防ぐためにも、「今、何に集中すべきなのか」的を絞るのです。

特に、やるべきことが多くて混乱してきた、一度整理したいという場合に有効です。