3つのゴミ置き場に捨てる仕事をあぶりだす

まずは、ノートを上下に2分割してください。上部には、タイトルに「今、本当に取り組むべきことは何か?」と書きます。これにより、冷静にやるべきことの優劣を見極める気持ちのスイッチを入れます。

次に、上段の「TODOリスト」欄に、頭の中にあるやるべきことを全てリストアップします。ここまでは通常のTODOリストと同じです。

さらに、下段はさらに縦線を2本入れて3分割します。仕分けの基準である「先延ばし」「たたき台」「お任せ」欄をつくります。こうすることで、「今」「自分が」「100%」を目指すこと以外を捨てる“ゴミ置き場”とします。

3つのゴミ置き場ができたら、TODOリストの中より仕分けをして転記していきます。それでも、TODOリスト欄に残ったものだけが、「今」「自分が」「100%」やらなければいけないことになります。

最後は、残った項目を赤い丸などで図示して後は行動するだけです。

【図表1】TODOリストの仕分け方

これは、捨てる仕事をあぶりだす作業とも言えます。「仕事において大切なことは劣後順位の決定である」とは、経営学の大家、故ドラッカー博士の言葉です。優先順位の前に、捨てるべき仕事は何かという劣後順位をつけることが大事というわけです。

優先順位(着手する仕事の順番)<劣後順位(捨てる仕事の明確化)

今やらなくてもいい「先延ばし」「たたき台」「お任せ」

仕分けの基準である1つ目の「先延ばし」という言葉は、意志が弱くて目の前のやるべきことから逃げているイメージに捉えるかもしれません。ですが、ここでは“前向きな先延ばし”と捉えます。「今やりたくない」ではなく、「必ずしも今優先的にやる必要はない」ことをページ上部のTODOリストの中から「転記」します。

例えば、緊急性も重要性も低い資料の整理などです。また、今すぐやらなくていい(よくなった)仕事で、来月開催予定の会議資料の作成や、日程調整中で相手の返事待ちの業務などです。

2つ目の「たたき台」の欄には、仕事の精度が当日中にはあまり求められていないことを書きます。

例えば、マニュアルや企画書の作成など、必ずしも当日中に100%の精度が求められていないことを書き出します。精度が30%だけでいいものは「たたき台」(ラフ案)レベルの作業として扱い、時間をかけすぎないようにすることが大切です。

3つ目の「お任せ仕事」とは、他人に任せられるか、もしくは他人の協力を得て行う仕事のことです。自分でなくてもできることに時間を割いても、あなた自身の付加価値は高まりません。それならば、他の方に任せてしまうか、協力者を探してサポートをもらいながらスピードアップをはかりましょう。

もし、途中に予定外の仕事が割り込んで入ってきた場合でも、ノートに仕分けのスペースを設けておくことで、本当に今やるべきかの判断が瞬時にできます。また、仕事だけではなくプライベートにおいてもこのスタンスは同じため、公私ともに多忙で頭が混乱してきたという場合こそ、ノートで仕分けを行ってください。