いい上司とダメな上司はどこが違うのか。『本当に大切なことに集中するための 頭の“よはく“のつくり方』(日本実業出版社)を書いたコンサルタントの鈴木進介さんは「ダメな上司ほど、自分の価値観を無意識に押しつけ、部下を追い詰める。『一般的に』『若い世代は』『普通は』という言葉には要注意だ」という――。
メガホンで小さなビジネスマンに叫んで怒っている上司
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ダメな上司が無意識に使う「部下を追い詰める言葉」

「部下の○○がいつもミスばかり。何回言ったら直るのか分からない!」と不機嫌なクライアントさんから、部下の悩みを相談されることがよくあります。

「他の人はできているし、自分だったらそんなミスは絶対にしないのに、あいつは性格が曲がっている」と。“そんなの当然でしょ”と言わんばかりに、ミスした本人にもそのままのトーンで伝えたといいますから、驚きです。

この例に限らず、上司が部下を追い詰める言葉を発している光景は様々な職場でよく目にします。

春ともなると新入社員と社内で話す機会も多くなることでしょう。入社直後から会社に嫌気が差してしまわないよう、言葉づかいや振る舞いにはいつも以上に気を使わないといけません。

「一般的に、会議中にスマホを触るのはどうかと思うよ」

以前、配属されて間もない新入社員を含む7名ほどのプロジェクト会議に同席したときのことです。会議を進行する上司であるSさんが新入社員の1人に向かって、「キミは会議中にスマホを触っているけど話を聞いてる? 一般的に、会議中にスマホを触っているのはどうかと思うよ」と。

「キミに限らず、最近の若い世代はスマホが好きなのは分かるけど。新入社員なら普通は、まずノートにメモをとるところから始めるものなのじゃないかな?」と、イライラしながら話していました。会議に出ていた新入社員が、どういう理由でスマホを触っていたかも確認せずに言い放ったのです。

この会話を聞いてあなたならどう感じますか?

後で新入社員に聞いてみると、その場で分からないことを調べ、大切なことはスマホでメモをとり、その後の書類作成に活用するために整理するつもりだった、とのこと。

この会社ではスマホが全員に支給され、3年目の若手社員も会議中にスマホを操作しながら仕事を進めているため、自分もそのスタイルが良いと判断したというのです。会議中に私物のスマホで遊んでいたわけではないのに、なぜ自分だけがいけないのだろうか? と、少し納得がいかないままへこんでいる様子でした。

このやり取りを振り返ると、いくつかの問題点が見えてきます。