「首相公邸にオバケが出るというので妻は内心嫌がっているんだ」――野田佳彦首相がそう話すと、記者団の一人がすかさず「鳩山幸さん(鳩山由紀夫元首相夫人)は幽霊を見たらしいですよ」。野田首相は、「その話は聞いたことがあるなあ。でも菅(直人前首相)さんからはオバケの話は聞いたことがないなあ」。

野田首相と記者団のやりとりは、首相夫妻が首相公邸に引っ越す直前に実際に行われた話だ。野田首相はともかく、仁実夫人は幽霊話が苦手のようだ。

首相公邸に幽霊が出るという話は度々噂されてきた。現在の公邸は自民党の小泉純一郎政権時代の2003年から05年まで2年かけて改築された。隣接する首相官邸も小泉政権時に建て替えられたが、旧官邸は戦前の五・一五事件(1932年)と二・二六事件(36年)の舞台。当時の犬養毅首相らが反乱軍の将校たちに暗殺されていることもあって「夜になると公邸に軍服姿の幽霊が出る」という噂が以前から絶えなかった。

「戦後の首相の中にも、公邸で幽霊を見たと言っていた人がいた。ただし、公邸が建て替えられる前だった。鳩山幸夫人は水晶占いに凝るなど、霊感の強い女性だから本当に見たのかもしれない」

ベテラン政治記者はそう言って笑う。

で、仁実夫人はコワーイ公邸で、どんな生活をしているのだろう。

「それが全然、聞こえてこないんですよ。引っ越し当日に公邸の掃除をした以外は、生活ぶりがさっぱりわからない。ファーストレディーの先輩である鳩山幸夫人や菅伸子夫人が目立ちたがり屋だったのと対照的に、仁実夫人はどじょう首相同様の地味キャラ。鳩山夫人は“麻生太郎首相が入浴したお風呂に入りたくない”と浴室の模様替えをしたが、仁実夫人は関心がないようです」(官邸詰め記者)

そう言えば、仁実夫人の経歴もいまひとつハッキリしておらず、わかっているのは私立の三輪田学園中学・高校を卒業後、音大を経て、どこかの社長秘書をしていたらしいという程度。

「仁実夫人は東京音大音楽学科で音楽教育を専攻、声楽やピアノも習っていたがなぜか卒業せず中退している」と官邸関係者は言うが、首相夫人の“経歴ミステリー”はいつ解明される?