お土産が1人だけ配られないことも

そのことに気づくきっかけになったのは、ほんの些細なことでした。たとえば、朝挨拶をしても、数回に一回は無視される。ある日、自分が気に入って買った服で出社すると、数日後にCさんもまったく同じ服を着てきたこともありました。

社内の誰かが旅行のお土産を買ってきたとき、事務職のCさんなどが、それを受け取ってみんなに配るという決まりになっていましたが、営業で外に出ていた先輩には配られませんでした。

お土産
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです

通常は、外に出ている人の分もメモと一緒に机に置いてあるはずなのですが、先輩の分はいつもないのです。営業の男性社員の机には「○○さんからのお土産です」というメモとともに置かれているのですが……。

「これはおかしい」と感じた先輩は、それとなく周囲の人にCさんの評判を聞いてみることにしました。すると、Cさんは本当は営業の仕事がしたくて入社したのに、事務職に配置されてしまい、それからは営業職の女性社員を嫌うようになったのだ、というのです。

相手に「嫌われてしまった」ときの対処法

Cさんのように、自分の好き嫌いでいじめをするタイプの人の背景に隠れている感情は、嫉妬です。嫉妬に駆られて、自分が手にできなかったものを手にしているA子さんや、その先輩にいじわるをしたのです。

この種のいじめによって、会社の業績が落ちてしまうという話はたびたび聞きます。ですから、本来ならば会社全体で「言った言わない」問題に対処すべきですが、いじめ自体が発覚しにくいため、個人の裁量に任されてしまっているようです。

このように、一見気づきにくいいじめにはどう対処すべきでしょうか。

この手のいじめの多くの被害者が、「何か、おかしいな」とは感じるようなのですが、まさか自分が嫉妬されていて、そのためにいじわるされているとは夢にも思わないようなのです。ですが「おかしいな」と思った時点で、相手を注意深く観察したり、周りの人にそれとなくその人の評判などを聞いてみるなどしてみましょう。そうしないと、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。