母親との同居と義母の認知症
こうした義姉との確執を抱えた中、大事な家族には次々と病魔が襲った。
隣町に住む花田さん母親は2018年の同じ月、尿路感染症になり入院。母親の見舞いや義両親の介護をするため、花田さんはパートの仕事を辞めざるを得なくなる。
パートを辞めた花田さんは、義母の認知症の進行の速さに驚いた。これまでずっと、義父のトイレ介助は義母がやっていたが、急に怒鳴ることが増え、義父が失敗すると、すぐに手が出るように。また、好きだった買い物も行きたがらず、食事の支度もせず、毎日のように花田さんに「お総菜買ってきて」と使い走りさせた。
一方、尿路感染症から退院した母親は、しきりに「身体がしんどい」と言うように。そのため義父母と花田さん家族が住む二世帯住宅に、母親も同居するようになった。
2019年7月には、義母は義父が欲しがらないと水分を与えていなかったため、義父は脱水症状を起こし入院。義母はしばしば見舞いに行ったが、帰ってくると行ったことを忘れており、その日のうちにまた「見舞いに行く」と言うように。
花田さん夫婦は、ずっと家にいると認知症が進むだけだと考え、義母を説得し、デイサービスの利用を再開させる。
9月になると義母は、「お父さんが家にいないと寂しいから、退院させたい」と言い始め、花田さんの夫が「親父はもう食事介助が必要だし、下の世話も必要なんだ」と説明するも、「食事も下の世話も全部私がするから!」と言って聞かない。結局折れて、義父を退院させたにもかかわらず、認知症が進んだ義母は義父のことを完全に放置。やがて義母は一切の炊事をしなくなり、洗濯機の使い方を忘れ、炊事も洗濯も花田さんがするようになる。
週に3日デイサービスに行っている以外は、部屋に閉じこもってテレビを見るか、義父と横になっているだけになった。自分の家のことや母親の介護だけでも手いっぱいだった花田さんは、義父のオムツ替えや夕食の介助をヘルパーに依頼した。