アウトプットするためにインプットする

アウトプット力を育てるためには、徹底的なインプットも有効です。ただし、ここで言うインプットには、「好きなことを」という条件がつきます。

サッカーでもピアノでも将棋でも歌でも、なんでもいい。大好きなことを徹底的に練習する。上手な人に聞く。調べる。名人のまねをする。関連の本を読む。ワクワクしながらインプットすればどんどん身につき、上達し、詳しくなります。するとそれを人にも話したくなる。見てもらいたいと思うようになります。

ソファーで本を読んでいる女の子
写真=iStock.com/kohei_hara
※写真はイメージです

好きなことだから努力が苦にならないし、インプットすればするほどアウトプットがうまくなる。中学生のオリンピック選手などは、その最たるものでしょう。

芸人やYouTuberはアウトプットの優等生

最近はお笑い芸人になりたい、YouTuberになりたいという子どもがたくさんいるようですが、これもアウトプット力が見直されていることのあらわれかもしれません。

齋藤孝『頭が良くなるアウトプット』(主婦の友社)
齋藤孝『頭が良くなるアウトプット』(主婦の友社)

芸人さんはバカなことばかり言っているようですが、「どうですか?」と話を振られてパッと面白いことを言うなんて、アウトプット力がなければできません。

YouTuberに至ってはひとりテレビ局のようなものですから、企画立案からパフォーマンス、制作、編集まですべて自分でこなす必要があります。そうやって世の中に出したものに何千人、何万人ものフォロワーがつくというのは、大変なアウトプット力です。教えられたことを律儀に覚えるだけでは、こういう力は身につきません。