中学受験塾の入塾テストで上位クラスに入る子は、低学年のときにどんなことをやっているのか。プロ家庭教師集団・名門指導会代表の西村則康さんは「低学年のうちから塾に通わせればいいわけではない。鉛筆の正しい持ち方を身につけさせるなど、勉強する準備をしておくことが重要だ」という――。

※本稿は、プレジデントFamilyムック『中学受験大百科 2021年完全保存版』の一部を再編集したものです。

アジアの学校の子供たち
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低学年のうちに学力の土台をつくろう

中学受験準備の低年齢化が進んでいる。

塾によっては小学校の低学年で満席となっている校舎もあるという。プロ家庭教師集団・名門指導会代表の西村則康さんのもとには、低学年や未就学の子供を持つ保護者から「いつから塾に入れたほうがいいか」といった質問が寄せられるそうだ。実際、何年生から中学受験の勉強を始めるとスムーズだろうか。

「新小学4年生から、つまり3年生の2月から塾に入るので十分です。大手塾は低学年用のカリキュラムを作っていますが、本格的な中学受験のカリキュラムが始まるのは3年生の2月から。低学年から始めないと遅れるということはありません」

ただしその入塾前に、学力の土台となる力をつくっておくことが必要だと西村さんは言う。では低学年のうちにつくっておきたい学力の土台とはどういったものだろう。西村さんは“実体験”と“算数と国語の基礎学力”だと話す。

「中学受験は親世代のときとは違い、知識や解法を暗記するだけではなく、学んだ知識や解き方を“どのように活かせるか“を考える力が問われるようになっています。大学入学共通テストで『思考力』『判断力』『表現力』が重視されることに先行して、中学入試問題は変化しています。そのため、試行錯誤したり、いろいろな人と話したりした実体験が重要になっています。

実体験が豊富なら新しい知識を学んだときに『なるほど!』という納得感が生まれやすくなるのです。算数や理科、社会で生活に密着した場面が題材になり、知識をどう使うかといった問題が増えています。こうした力が育っていないと高学年で成績が伸び悩みます。また、算数の計算や国語の漢字も少しだけ予習しておくといいでしょう」

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