「てにをは」を意識した会話をしよう

入塾テストの国語では課題文を読んで設問に答える文章読解問題が出る塾もある。こうした国語の文章への対策は日常会話で十分できると西村さんは言う。

「国語の文章読解力は、質問されたことに適切に答えるといったやりとりで育ちます。『今日何したの?』といった漠然とした質問ではなく、『今日の社会の授業で先生はどんな面白い話をしてくれたの?』といった、子供が何を聞かれているのかわかりやすい質問をしましょう。そして大人の発話を短くすれば、子供は自然とたくさん話してくれるようになります。『黙っていなさい』と言われるようなおしゃべりな子ほど国語が得意です。子供が安心して言いたいことを発信できる環境をつくってやるといいです」

居間で話している若い日本人家族
写真=iStock.com/itakayuki
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さらに子供と会話をする際には、「“てにをは”を意識して話すと、助詞の理解も進む」と西村さんは言う。

「今日、お昼何食べた?」ではなく「今日お昼ご飯食べたの?」というように。“てにをは“を省略していると思い当たる方はぜひ試してみよう。

入塾テスト対策は少し早めに準備しよう

3年生の秋から冬にかけて各塾は新4年生の入塾テストを開始する。西村さんは3年生の4月頃から準備をして「入塾テストで高得点をとって上位クラスで入塾すること」をすすめている。

「どの塾も上位クラスにいい先生を配置しています。ハイレベルの塾に下位で入るよりも、少し塾のレベルを下げて上位クラスに入るほうがおすすめです」

では入塾テスト前に具体的にどんな準備をしておけばいいのだろう。

「3年生の1学期に、参考書の『小学3・4年自由自在』の国語と算数から、3年生のところを解き、学校では習わない応用問題に慣れておきましょう。直前には私が大手塾の入塾テストを分析して作った問題集『中学受験 入塾テストで上位クラスに入るスタートダッシュ』を解くのもおすすめです」

4年生から本格的な塾通いが始まると当然、宿題もすることになる。そうなると家での学習習慣を身につけておくことが大切になる。塾が始まって自然に習慣を身につけられる子もいるが、心配な場合は3年生から1日約30分の学習習慣をつけておこう。

「入塾前に毎日30分勉強できるなら、塾が始まって1時間と時間が延びても対応できるでしょう。学校の宿題と市販のドリルを合わせて30分机に向かう習慣をつけられるといいですね」