※本稿は、『プレジデントFamily2021秋号』の記事の一部を再編集したものです。
「そんなに難しい本を……」先生を驚かせた乃木坂46 山崎怜奈
私の家は両親が共働きで、小学生のころから帰宅しても一人ぼっちでした。
話し相手も遊び相手もいなかったので、退屈になると近所の駅中にある2階建ての本屋さんにフラッと行っていました。そこで自分一人でも読めそうで、興味のある分野の本を見定めて買うのが、よくある平日の過ごし方だったと思います。
それから、親が仕事から帰ってくるまでの間が私の読書時間。読めない漢字を電子辞書で調べたり、わからないことをパソコンで調べたりしながら本を読み進めていました。
私を子供扱いしない親だったので「わからないことは自分で調べてね」と言われていましたし、携帯電話も小学2年生の時には、大人と同じものを持っていました。お金の管理も「電卓を買ってあげるから、自分でやりなさい」という方針でした。
本を買うお金は祖父母からもらった図書カード。誕生日プレゼントが毎年図書カードで、常にお財布に入っていたので、本屋さんでの買い物に困った記憶はありません。
こうした家庭環境だったので、本を選んで、自分で調べながら読むという習慣が自然と身に付きました。
もう一つ、私にとって読書とのつながりをつくってくれたのが、学校の図書室です。
小学生のころ、図書委員をやっていて、いろいろな本を読みました。歴史好きだったので、歴史漫画やヘレン・ケラーなどの偉人の伝記も読みましたし、灰谷健次郎さんの『太陽の子』なども時間をかけて読みました。
『太陽の子』は主人公のふうちゃんと沖縄出身の両親を描いた、戦争と戦後を扱った作品です。400ページ以上もあるので、先生に「そんなに難しい本を読んでいるのか」と驚かれた記憶があります。
『太陽の子』は戦争が過去のものとなったように見える戦後の神戸で、戦争の後遺症や記憶に悩まされる家族の物語です。
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