親の心構えがもっとも大事
一方で、西村さんは、こうした子供の準備と同時に「受験を始める親の覚悟」が必要だと語る。
「子供は大人のように、目標に向けて計画通りに物事を進めることはできません。それを織り込んで受験をサポートすることを家族で話し合うことが必要です。子供が『毎日勉強する』と言っても、『(そのときは)毎日勉強する(気分だった)』というようにかっこの言葉が隠れていると思ったほうがいい」
いざ塾が始まると、思うように成績が上がらなかったり、子供が勉強を嫌がったりすることもあるだろう。
「そんな成績ならやめてしまえ」と叱るなど親がカッとなってしまう場面は少なくない。
「残念ながら、こうしたやりとりが頻発している家庭のお子さんの成績は上がりません。特に、親がクラスを上げることを目的にすると、子供は萎縮してしまいます。結果ではなく、過程を認めてやることが大事。計画の一部しかできなくても、少しでもやったことは前進している証拠。『やっているときの集中力はすごかった』などと褒めましょう。こうした積み重ねで親の意見にも耳を傾けてみようという気になるものです」
中学受験はやり方次第で、深い思考力、論理力、工夫する力や諦めない心など、その先の人生に役立つ力が育てられる貴重な機会になる。
「親御さんには『うちの子は大丈夫』といった根拠のない信頼を持ち続けてほしい。そのほうがお子さんはのびのび勉強に打ち込めます」