やりがいを得ながら収入アップができる人は何が違うのか。経済評論家の勝間和代氏は「『自分の才能や、やりたいこと×市場のニーズ』の答えが自分の手にできる収入だが、収入アップを目指すなら、市場原理を理解することが重要」という――。
※本稿は、勝間和代『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
やりがいは持続しにくいもの
自分のキャリアについて考えるときに悩ましいのが、やりたいことをして十分な収入を得ることができるか、ということです。やりがいと収入の両方の満足度が高い仕事に就ける人はかなり限られています。
仮に、運よくやりたい仕事に就けて十分な収入を得られても、続けるうちに慣れて新鮮味がなくなり、やりがいが半減して単なる収入を得る手段に変わることもあり得ます。その場合、やりたい仕事に就いても、こんなものか、と落胆したくなるでしょう。
想定外のやりがいと出合うこともある
この「やりがい」というのは非常に曖昧な概念で、特にやりたいことではなかったけど、やってみたら達成感が大きくてやりがいを感じる、ということもよくあることです。
また、達成感などの実感ではなく、収入が上がることもやりがいになります。歩合制のセールスで、セールスが上手くいけばいくほど収入が上がってやりがいも増す、というのはその典型でしょう。
いったい、自分のやりがいはどこにあるのか。こればかりは実際にやってみないとわからないもので、これは本当にしたい仕事ではないけど、収入を得るために妥協して選んだに過ぎない、という始め方でも見つかることもあります。
妥協するとはいえ、100%やりたくない仕事をする必要はありません。自分の得意分野に近くて、それなりにやりがいを感じられそうかな、という程度でOKでしょう。まずはキャリア選択のスタートラインに立つことが大事なので、とりあえずはこれでいいんだ、と割り切ることが必要です。