人生100年時代には、友人や家族とのつきあいも非常に長くなります。勝間和代さんは「社会的つながりの観点から見ると、人間関係のデザインが老後を決めてしまう」と言います。どうしたら、老後を見据えた人間関係を築くことができるのでしょうか――。

※本稿は、勝間和代『健康もマネーも人生100年シフト! 勝間式ロジカル不老長寿』(宝島社)の一部を再編集したものです。

深刻に見えるベッドの上に座っている高齢の男性
写真=iStock.com/ozgurcankaya
※写真はイメージです

友人の選び方で老後が決まる

100歳までを見据えると、仕事仲間だけではなく、友人選びもずいぶんと違う視点に立つことになると思います。

お互いに配慮し合い、お互いの人生を充実させるために切磋琢磨し協力し合うことができる人たちは、付き合っていてとても気持ちがよいものです。しかし、なかには、あまりに自分中心で、自分が相手のために何かするのではなく、相手が自分のために何をしてくれるのかということだけを求める人間も、決して少なくありません。

そうした人たちは、若いうちにはやる気がある、好奇心旺盛の楽しい人だったのかもしれません。しかし、50~60代を過ぎる頃になってくると、ただ単にわがままで付き合うと疲れる迷惑な人たちに成り果ててしまうことがしばしばです。そうした人たちからお誘いがあるときは、私はなんだかんだと細かい理由をつけて、ほとんど断ることにしています。

人生100年時代において、社会的つながりの観点から見れば、どんな人たちと人間関係を構築し、あるいは関係するのを避けるか、といったような人間関係のデザインが、私たちの老後を決めてしまう、ということになります。

また、逆に自分がそういう迷惑な人間になってしまわないとも限りません。具体的な危険サインを挙げると、過去の自分語りが多くなったり、自分の経験や才能ではなく、自分と付き合っている人の自慢話が多くなると、要注意だと思います。また、特に求められてもいないのに、相手の見かけや話し方、付き合っている人間に対して、わざわざ介入してきて意見を言ったりするのも、危険サインでしょう。

ある程度、歳を取ってくると、それまでのキャリアの蓄積とフローのバランスが重要になりますが、これは金銭面でもまったく同じです。フローのなかでバランスを取った付き合い方をしないと、結局、これまでの信用の蓄積を使いつぶすだけなのです。